R25 Presents 第2回 Androidアプリ大賞


 2月9日、R25 Presents アプリ大賞授賞式およびパネルディスカッションを見て聞いてきました。いつものようなブロガーイベントではなく、がっつりマスコミが入って芸能人も来ている、かなり「公衆」なイベントでした。

授賞式

 さて、まずは各部門の大賞の発表です。結果は以下の通り。

 特別賞であるiCon・R22両部門は個人のクリエイターが作ったもので、iConではその完成度とマニアックさから、R22からは新しく社会人になる若者が2度寝とかにかなり効果がある(?!)とのことで選ばれました。

 それに地味に意外だったのは、ライフスタイル部門の『日本交通タクシー配車』。自分自身がまだ学生でタクシーなんて滅多に使わないということもあるのですが、R25の読者層であるビジネスマンにとっては必須のツールになりつつあるとか。

 まさかアプリ大賞の会場で『今年はタクシー100周年になる』なんてトリビアを聞くとは思いませんでしたが、100年間で様々な交通網が発達し、お客さんのニーズも変わってきたことを考えると、いたって正常な進化といえる。『無線の搭載で会社は車の位置を把握できるようになり、スマートフォンの普及でお客の位置が分かるようになった。これからのタクシーは【拾う】から【選ぶ】時代になる』との言葉から察するに、一見地味だけど、それこそライフスタイルを変える大きなアプリなのだと感じました。

パネルディスカッション

 授賞式の後には、Web R25 編集長 藤井氏・株式会社テクノード 代表取締役社長の鎌田氏・株式会社カヤック ディレクターの野崎氏・株式会社NTT docomo スマートコミュニケーション部 オープンサービス企画室 サービス企画担当課長の前田氏に壇上に出てもらい行ったパネルディスカッションを見ました。

 パネルディスカッションの「Androidアプリの収益化」そして「実際にAndroidアプリで稼げるのか」について議論が交わされていました。

 そこで気になった内容があるので、メモから抜粋したいと思います。

どのように利用者を集めるか?
Marketだけでは弱い。AndroidにはたくさんのMarketがある。
Androidの場合はiOSより有料アプリが売れない
無料で利用させた上でどのように収益化するか
たくさんの人に愛される、日常的に使ってもらえるアプリにする
iOSで売れると、Androidユーザーも欲しくなる
良いものを作れば口コミで広がっていく

 アプリの収益化と切り離せないのは、「ユーザーをどう増やすのか?」ということ。自分自身、iPad/iPod touchでiOS、Optimus Pad/Xperia rayでAndroid OSを利用しています。確かに、iOS製品ではApp Storeでもう何十本もアプリを買っているけども、Android Marketでは1つも有料アプリを買っていない。使っているのは全て無料アプリでダウンロードするときも無料のものをあえて選んでいる。

 その理由を考えてみると、やはりiTunes Cardの存在が大きい気がする。自分自身もApple IDのハッキングを受けたことがあるが、やっぱりクレジットカードを登録しておくのは少し抵抗を感じている。その点、Android Marketは日本円で登録されているアプリならば各携帯電話事業者毎の簡易決済サービスを利用することは出来るが、基本はGoogle Checkoutにクレジットカードを登録しなければならない。そういう意味でまだまだAndroid Marketはマーケット(市場)としてはまだまだ未成熟に感じられる。

 次に「Androidアプリでは稼げるのか?」ということについて。

 先ほどの理由などからAndroidでの有料アプリ利用数平均は1人あたり0.9個、iOSでは10.1個というように、数値だけ見てもAndroid Marketは魅力的な市場では現状無い。

 なので、アプリの収益化モデルとしては「アプリ内広告収入」や「アドオンなどによる課金」などが多い。また、聞いてなるほど、と思わせられたのは「無料アプリを多く公開し、それを作品として受託契約に繋げる」というもの。要は無料アプリで「自分たちはこんな風なアプリを作れますよ」と示して、似たようなアプリを作って欲しいと思っている企業などから開発を依頼しやすくする。

 また、多くのアプリで採用されている広告収入に関しても「単に広告を掲載する」では駄目だという話も出ました。そのあたりのメモはこちら。

Androidアプリを作る場合はこういうことを想定しているか?
バナー以外の場合はユーザーインターフェースとの整合性がとれたほうが収益化できる。
ランキング表示の広告は、ユーザーがホッとしているときに表示するので効果がある
ミスで触ったのではなく、興味をもって見てくれるのが大切

 広告表示をするならば?と考えたときに、素人ならば割とユーザーのことには考えが及ぶと思うのですが、ビジネスでしっかりやるとなると「広告を出している会社」のことも考えなくてはいけないのですね。言葉にすると当たり前ですが、なかなか考えたことはなかったです。

 最後に。
 各パネラーが語る「Androidアプリの収益化は難しいか?」ということについては以下のメモが面白いです。

Androidアプリの収益化は難しい?
マーケットの整備が進んでいない反面、個人が作ったアプリが大企業に勝てる。
個人の方がネタアプリが作れるのが魅力的
ユーザーとの距離が縮められるので、生活を変えられるアプリを作れる色々な変化があるが、ポジティブに捉えることが出来れば、可能性が広がる。

 以前から、AndroidはApp Storeに比べて自由だ!開拓の精神だ!と言われていましたが、1〜2年前はユーザーが少なく、「開拓のしがいがない」といった印象でした。しかし、日本では重要な【三種の神器】を搭載することによって、ガラケーユーザーの移行期になる今後、多くのユーザーへアプリが提供できる環境になっていくように思えます。決して「先が明るい」という訳ではありませんが、「やりがいのある」というのはなんだか分かった気がします。

R25 Presents 第1回Androidアプリ大賞
R25 Presents 第2回Androidアプリ大賞

“R25 Presents 第2回 Androidアプリ大賞” への4件のフィードバック

  1. やっぱりせっかくだから作ってみたいってのはあるよね。ただ。面白いアイデアが今のところないなぁ。

    ってか、コメント早いねw
    やっぱりmixi経由?

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