2019年2月の上旬にドコモ版である「Xperia XZ Premium SO-04J」にAndroid 9.0 Pieのアップデートが配信されましたが、国内SIMフリー版であるnuro mobile版「Xperia XZ Premium」にもAndroid 9.0が到来しました。
SIMの有無もしくは入れているSIMの種別に関係なく、ドコモ版と同じくWi-Fi経由またはWindows PCに接続することで、アップデート可能です。
持っている端末の中では、グーグルの「Pixel 3」を入れて2番目のAndroid 9.0搭載機になるので、性能アップは望めるのかなど、ベンチマークアプリ「AnTuTu」「Geekbench」「3DMark」で比較してみました。
なお、以下のスコアーはどれも3回連続実施時の平均値です。
AnTuTuでは約6000ポイント増
総合性能を測るお馴染みAnTuTu Benchmarkの結果は、Android 8.0時が「205358」で、Android 9.0アップデート後は「211453」でした。スコアー差は約6000ポイントということで、やや増といった具合です。
詳細を見てみるとCPUのスコアーが落ちているのに対し、グラフィックス(GPU)とメモリーが微増、UXが他の値と比較的に増。OSのアップデートにより操作性は上がっているよ、と言いたい感じでしょう。
Geekbench 4ではやや低下傾向に
続いて主にCPUの処理能力を測る「Geekbench 4」で計測。Android 8.0時は「1934/6558」なのに対し、Android 9.0時は「1882/5775」とやや減でした。さきほどのAnTuTuのCPUスコアーと同じ傾向のため、正しい値と言えると思います。(スコアーは「Single-Core Score/Muti-Core Score」)
色々確認している中で思い出したのですが、Xperia XZ Premiumは出荷時のバージョンだとAndroid 7.1だったんですね。それが、Android 8.0になり、さらに今回のようにAndroid 9.0へ。メジャーアップデートを2回というのは、なんだかんだでうれしいものです。
ただ、一方でSoCは当然「Snapdragon 835」のまま。現在市販されているハイエンド向けSnapdragonは「Snapdragon 845」と1世代進んでおり、さらにまもなく「Snapdragon 855」を搭載したデバイスが出ようとしています。最新のOSが古いSoCの少なからず負担になる、というのはやはり自然なことなのだと思います。
3DMarkはほぼ誤差程度の差
グラフィック処理を実行する3DMarkでは、割と重いSling Shot Extremeを実行しました。結果はAndroid 8.0は「3629/2302」だったのに対し、Android 9.0では「3733/3299」と微増というより、誤差程度の差でした。(スコアーは「OpenGL ES 3.1/Vlukan」)
これもAnTuTuの3Dスコアーと同じ傾向ですね。Xperia XZ Premiumは4Kディスプレーを搭載していますが、確か認められたアプリ以外ではフルHD程度の画質でしか出力されていません。Android 9.0にアップしたからといって、劇的に3D系のゲームが重くなったり、逆に軽くなったりということはなさそうです。
電池もちやバグが気になるところ
以上。ベンチマーク結果より、「CPUへの負荷は気になるところだが、アップデートをしても基本性能という意味では大きな影響はない」と言えるかと思います。
しかし、スコアーには表れない電池もちやバグなどは、自分もまだ使い込んだわけではないのでわかりません。Twitterなどで検索すると電池の消費量が増えたなどという報告や特定のアプリが落ちるようになったという報告も多少あります(もちろん何らかのアプリ側の原因などもあると思います)。
個人的には特に不満なく使えていますし、9.0の地味な新機能で画面回転をレコメンドする「ワンタッチ固定」は、いちいち画面回転の設定を変えずに済むので重宝しています。
ちなみに、自分はPure Androidのはずの「moto z3 play」も持っていますが、こちらは原稿執筆時点でAndroid 8.1のまま。出荷台数の大幅減となっているソニーモバイルではありますが、こういうアップデートなどの素早さを考えると、やはり開発力はまだまだあるのだなと感じます。