2012年1月16日、auからスマートフォン新機種が発表されました。それをうけまして、1月21日に、原宿にあるKDDIデザインスタジオにて、発表されたスマートフォンのそれぞれのメーカ担当者の方がその場でウリをプレゼン、そして実際に触って体験できるイベントに参加してきました。
今回レポートするスマートフォンは、
- MOTOROLA RAZR IS12M
- Optimus X IS11LG
- Xperia acro HD IS12S
- INFOBAR C01
- Galaxy SⅡ WiMAX ISW11SC
の計5種です。
auの型番から分かるとおり、(スマートフォンならIS・WiMAX対応ならISWが頭につきます)5機種中WiMAX対応はGalaxyのみとなっていますが、またINFOBARとXperia acro HD以外はグローバル端末です。第一印象としては、三種の神器などのガラケー機能より、割と性能など今後に目を向けたラインナップだなと感じました。
というわけで、今回はMOTOROLA RAZRのレビューをお送りします。
本当は一気に5機種紹介したかったのですが、どれも結構長くなりそうだったので、機種毎に記事を分けることにしました。遅筆ですが、どうかご容赦ください。
モトローラといえば……?
モトローラといえば、モバイル部門をGoogleに買収されたニュースできいたことがある人も多いと思います。(または昔からのモトローラファンも多いはず)Androidマニアックな方なAndroidブームの火付け役となった端末「DROID」を生産したのも何を隠そう、このモトローラです。一般的な携帯ユーザーの方にはあまりピンとこない方もいると思いますが、モトローラのAndroid端末といえばある程度信頼のおける製品ということです。最近では、KDDIからタブレットとしてXOOM、スマートフォンとしてPHOTONを展開してきました。
今回、発表・発売されたMOTOROLA RAZR(レーザー)はAndroidですが、RAZR自体はモトローラの薄型携帯電話のシリーズ名です。2006年12月にドコモから発売された「M702iS・M702iG」もこのRAZRシリーズです。今回のIS12Mは約5年の時を経て復活したRAZRというわけです。
ただ薄いだけじゃない、3つのポイント
さて、今回のRAZRはただの「薄いスマートフォン」ではないという点を最も強調していました。謳い文句は、
- スリムなのにハード ー 美しいけど頑丈
- スリムなのにパワフル ー 妥協のないパフォーマンス
- スリムなのにクレバー(Clever) ー MOTOROLA独自の先進機能を搭載
というもの。
『スリムなのにハード』というのは、携帯電話業界では最近おなじみのGorilla Glass採用に加え、背面は「同じ重さの鋼鉄の5倍の強度をもつ」KEVLAR(ケブラー)ファイバー採用という頑丈性。ディスプレイは約4.3インチのQHD Super AMOLED Advancedの有機EL、それに最薄部7.1mmという美しさ、ということ。実際持ってみると、大きな見た目で構えていたところに、ふわっと全く見当違いのものを乗っけられた感じ。重さ約127gにびっくりさせられます。ディスプレーの方は製品名的にGalaxy等でも採用されている綺麗な有機ELなので(その中でもいいものらしい)画質は保証できます。けれど、液晶慣れしている人は、有機EL独特の色合いや目の疲れがあるかもしれません。
続いて、『スリムなのにパワフル』。1.2GHzのデュアルコアCPUに1780mAhの大容量バッテリーを搭載しています。最近は1.5GHzのデュアルコアCPUのスマートフォンも出てきはいますが、クロック数がそのまま反映されているとは限りません。Android独特のカクカク具合はほとんどなく、逆に「えっ動きすぎ!」と思うくらい敏感に反応してくれます。WiMAXやWIN HIGH SPEEDには残念ながら非対応ですが、通常の通信速度でこのバッテリーなら安心して使うことが出来る気がします。
最後に、『スリムなのにクレバー』。Cleverというのは賢いとか利口といった意味の英単語ですが、IS12Mにはモトローラ独自の機能がふんだんに盛り込まれています。中でも『Smart Actions』はどのスマートフォンにも欲しい機能です。
電源管理の自動化『Smart Actions』
『Smart Actions』は1日の行動に合わせて、バッテリー使用量を抑えるため自動で各種設定を最適化してくれるもの。従来のように自分でBluetoothのスイッチのON/OFFを切り替える必要はありません。
例えば、
「23時以降」になったら就寝するため「3G通信以外の通信機能は切る、音量はMAXにする」や、
「会社に」着いたら社内ネットワークに接続するため「Wi-FiをONにする」など、
自分で行動の鍵となる「トリガー」を設定して、「アクション」を起こしてくれるわけです。しかも、デフォルトで設定されているレシピとオリジナルで編集できることに加えて、IS12Mが利用者の行動を覚えて、その人に最適なレシピを提案してくれる機能もあります。XperiaシリーズのLiveWareをより進化させたものに感じましたが、こちらのほうがカスタマイズ性が富んでいそうでした。
全体的な感想
「今回発表された端末の中で買ってあげるとしたら、何が欲しい?」的な天使の囁きがあるのならば、迷わず自分はRAZRを選ぶと思います。やはりスマートフォン長年の悩みである電源管理部分を『Smart Actions』のような機能で自動化して煩わしさから解放されたいですし、電池が1780mAhもあるのに7.7mmしかない、ちょっとでっかいポケットにも入れてても気にならない!という理由です。
それに前作PHOTONから引き継がれているスマホをPCライクに使う『Webtop』機能(要別売のDATA08Wドック)など、便利そうな機能が目白押しでした。
もし、問題点を挙げるとしたら、やはり有機ELには慣れが必要と言うことでしょうか。今回自分はセミナーの進行の都合上、10分も端末を触っていないのですが、思いの外目がチカチカしました。
これは会場で質問があったのですが、ハードウェア的には2011年11月に発売された海外版である「Droid RAZR」をau用のアンテナ(WCDMA)に置き換えただけなので、残念ながらPHOTONで対応できてきたWiMAXやWIN HIGH SPEEDに対応していません。先ほど述べたとおり、電池面では有効な判断かもしれませんが、『Webtop』やクラウドコンテンツ配信の『MOTOCAST』を利用する上では少しストレスが溜まりそう。
「どうしてもお財布・ワンセグ・赤外線を使いたい!」という人は選択肢にも入らないかもしれませんが、ちょっと一呼吸おいて、実機を触ってみると意外に病みつきになるかもしれない端末です。
■モトローラ公式:MOTOROLA RAZR IS12M
■MOTOROLA特設ページ
■au製品ラインナップ:MOTOROLA RAZR IS12M
ちなみに、次回は『Optimus X IS11LG』のレポートを載せます。