Evernote

EvernoteからNotion、Googleに移行すべきか否か、悩んでいる話

最近、悩んでいることがいくつかあります。その1つが「メモアプリ」をどうするかです。

以前からちょこちょこと書いている通り、自分は「Evernote」を愛用しています。記録によると2010年4月から使っているようです。

2020年5月には「ソースネクストで購入するのがお得」という記事を書いています。それから2年。5月27日には更新時期がやってきます。

本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています。

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その間に、2021年7月に新プランの登場、ソースネクスト版の販売終了。そして、強力なライバルの登場……と、この際乗り換えも視野に自分の利用状況と料金の妥当性を検討してみようと思ったわけです。

現在は「ノート」=「案件」ごとに作成

Evernote
このブログの原稿もEvernoteでバックアップをとっています。

私は取材して記事を書く記者で、人から原稿をいただいて編集する編集者でもあります。最近は動画をつくる機会も増えています。

そのすべての作業でEvernoteを使っています。1つの案件ごとにノート1つと決めているので、別の取材をするたびにノートが増えていきます。

※Evernote内では、ノート=単一のファイル、ノートブック=ノートの集まったフォルダー、のような概念です。

ノートに入れている情報は以下の3つです。

  • テキスト……取材/打ち合わせ内容をその場で入力したもの。参考リンクなども。
  • 画像やPDF……リリースなどの資料。スクリーンショット。場合によっては手書きメモも。
  • 音声……取材/打ち合わせ時の録音。

これらの情報が「単一のビュー(ノート)にまとめられ、かつどんな端末でも検索できること」がEvernoteを愛用している理由です。

インストールしている端末は今のところ、家のMac、持ち運び用のVAIO(Windows)、スマホのXperia(Android)、タブレットのiPad……と複数OSに対応している必要があります。

検索というのも重要なポイントで、Evernoteは有料(月額680円のPERSONAL以上の)プランだと、画像や文章ファイルの中まで検索対象となります。

画像の場合はOCR(光学的文字認識)になるわけですが、日本語も対応しています。自分の汚い手書き文字も全部とは言わないですが、ヒットすることがあるので、その精度には一定の信頼性があると思っています。

不満点はノート単体の容量

Evernote プラン
2021年に一新したEvernoteのプラン。

さて、使い始めて約12年。致命的な不満点はあまりなく使っていましたが、ここのところ少し気になる点が出てきました。

それはノートの容量です。Evernoteは無料プランなら1つのノートにつき25MB、有料プランなら200MBと制限があります。

2021年7月に新しいプランが発表された際、「PROFESSIONAL」(月額850円)という個人向け上位プランも発表されましたが、それでも200MB頭打ちです。

技術の進歩で、画像/動画/音声のファイル容量が増えてきた今、何気なくアップロードしていると割とすぐこの制限に引っ掛かってしまいます。

ちなみに、Evernoteにはノート単体の容量制限の他に、「月間アップロード容量」という概念があります。

要は一定期間内にアップロードできるデータ容量の上限のことですが、無料プランなら60MB、PERSONALなら10GB、PROFESSIONALなら20GBです。

自分は旧プランから引き継いでPERSONALを使っていますが、この10GBの制限に引っかかったことは1度もありません。

この月間アップロード容量は維持したまま、「ノート単一のファイル容量を増やしてくれないかな」「増やしてくれたら上位プランにもするのだけど」と思う今日この頃です。

移行先のライバルは?

では、仮にEvernoteから引っ越すとしたら妥当なサービスはどれでしょう? よくあがるものは以下の4つではないでしょうか。

  • OneNote(Microsoft Office)
  • Notion
  • Google Drive/ドキュメント
  • iOS標準の「メモ」アプリ

このうち、OneNoteは自分がOfficeの契約をしていないため除外します。過去に使っていたOneDriveの使い勝手が悪いので、それに付随するサービスもあまり印象が良くありません(Word/Excel/PowerPointはデファクトスタンダードですが)。

iOS標準のノートもiOSの進化とともに機能が増え、箇条書きやチェックリストの設定はもちろん、リンクや写真の添付、iPadOSではApple Pencilの手書き入力にも対応しています。

ただ、Windows/Android機で利用する場合は、Web版iCloudにアクセスする必要があり、Apple製品以外での使い勝手は余り良くありません。

消去法的に、候補は「Notion」と「Google Drive/ドキュメント」になります。

データベース機能が豊富な「Notion」

Notion
出典:Notion

Notionは、スタートアップ界隈で人気を獲得しているドキュメンテーションサービスです。2021年10月からベータ扱いで日本語版も提供されいています。

Notionは公式ホームページで移行をおすすめしているくらいにはEvernoteを意識していますが、本質は全く別のものです。

Notionの肝はデータベースとコラボレーション。Notionの内外にあるさまざまなデータを1カ所にまとめ、整理をし、チームの誰かと共有できます。

実際、2022年3月に実施されたNotion主催のオンラインイベント「Block by Block」では、その辺りの機能の強化を中心に発表されています。

料金は個人向けだと、無料の「パーソナル」と月額5ドルの「パーソナルPro」が用意されています。

「チーム」(約8ドル)プランもありますが、家族や小規模なグループで同時編集できることが強みなので、個人用途としてはパーソナルProまでで十分でしょう。

パーソナルとパーソナルProの差は

  • アップロードできるファイルの容量制限(無料は5MB、有料は無制限)
  • 招待できるゲストの数(無料は5人、有料は無制限)
  • バージョン履歴が30日有効(無料はなし)

Evernoteの不満点だった、ファイル容量の制限がないところはかなり魅力的です(とはいえ、無制限というのも大丈夫なのかという気がします)。

一方で、Notionは「オフライン利用」「ファイル内検索」に対応していません(2022年4月30日時点)。

ファイル内検索はまあ運用やタイトルワークで回避できるとして、取材先でたまに電波を掴みにくいところがある自分としては、オフライン利用ができない点は不安が残ります。

コロナ禍で変わりつつある「Google Workspace」

「smart canvas」のイメージ動画。

今回のケースはGoogle Drive(クラウドストレージ)というより、ビジネス向けサービス群である「Google Workspace」として見た方が正しいです。

メモ/ノートとしてはドキュメントサービスの「Google ドキュメント」、その他ファイルを格納する場所としてGoogle Driveを使うこともかなり現実的です。

特にGoogle I/O 2021で発表され、2022年3月に本格導入された「smart canvas」のアップデートは、個人的にかなりNottionを意識しているように見える内容でした。

  • Googleドキュメントがページレス形式に対応。
  • カレンダーやマップの情報を簡単に埋め込める「スマートチップ」。

また、画像/PDFファイル内のOCR検索もさすがGoogleと言える精度です。

料金は無料もしくはGoogle Oneによる容量ごとの値段になり、自分はすでに100GB(年額2500円)に加入しているので追加投資は、データの蓄積具合に応じてでいい点も魅力です。

不満点としては、EvernoteやNotionのようにGoogle ドキュメント自身にPDFファイルを埋め込めない(=メモとPDFが分離してしまう)ため、Driveでのフォルダー管理ありきになってしまうのはやや面倒のような気もします。

Google I/O 2022次第で決めようか

更新日は前述の通り、5月27日。NotionはBlock by Blockで新機能を発表済み。あと、Googleは5月11日から「Google I/O 2022」を開催予定。

とりあえず、Google I/Oが終わってから決断してもよさそうですね。

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