劇団フルタ丸第18回公演『オマエの時間くれよ』観劇

 昨日5月15日(火)に無事千秋楽を迎えた劇団フルタ丸の『オマエの時間くれよ』を見てきました。場所は下北沢シアター711。下北沢には何回か観劇に来ていますが、この会場は初めてでした。

[googlemap lat=”35.662557″ lng=”139.67032″ align=”undefined” width=”450px” height=”300px” zoom=”18″ type=”G_NORMAL_MAP”]東京都世田谷区北沢1丁目45−15[/googlemap]

 フルタ丸さんの公演は確か通算5〜6回目くらいだったと思うのですが、とうとうアンケートの「見たことある公演は?」の欄を全部埋められるレベルになりました。次回からは「それ以前の公演」にもチェックを入れられるようになります。

 感想はというと、今回はとても複雑なお話でした。時間をテーマにしたSFものと思いきや、孫請けの零細企業の様子やその新人の心理描写も含まれ、現実とフィクションが良い具合に入り交じった感じ。

 ただ、どちらの側面にもテーマとして「時間とは?」とか「時間の価値って?」といったテーマがあり、うーんと考えさせられ、そして考えていたら劇中でストレートな答えをもらえたような気がします。

 特に心に残ったのは、集団のひとつの歯車になろうという決意を表した台詞。自分にはそう思える集団が複数あり、また今のように新しい場所で新しいことをやりはじめることに不安を感じていたので、余計に感情移入ができました。

 また、今回はフルタ丸初のトークイベントを実施。『演劇ぶっく』の副編集長の方と主宰のフルタジュンさんが舞台にあがりました。ここでしか聞けない裏話などを聞けたので、次回もこういう機会を設けてくれることを祈っています。

 フルタ丸の今度の公演は8月31日から9月9日にある第19回公演。この第19回公演がフルタ丸の10周年記念公演にあたるそうです。今度もすごく楽しみです。

●関連サイト
劇団フルタ丸公式ホームページ

スティーブ・ジョブズ〈1〉を電子書籍で読んで

 伝記『スティーブ・ジョブズ』を結構前に読み終わっていたので、リーダーであるKinoppyの感想と共にお届けします。

伝記ってジャンル

 まず、驚きなのがこれは伝記本であるということ。自分は伝記本というと、小学校の頃図書室にこもって野口英世やエジソンの伝記を読みふけっていた思い出がある。これは個人的な見解だけども伝記本というジャンルはあまり人気ではなく、小学生の読書感想文の定番なのかな、と言った具合。

 だが、日本では売上げ100万部を超えた。それほど、スティーブ・ジョブズという人物はホットな人間だったのだと思う。また、各メディアでもかなり大きく伝えられたし、名前を聞いたことのなかった人も興味本位で買ったのかも知れない。そんな売れ方のする伝記本というのは珍しいな、と思った。

 内容も伝記にしてはアトラクション的だった気がする。休まることなく次から次へと新しい出来事が起きていく。前述の野口英世やエジソンの伝記と比べて時代背景も全く違うから、「伝記が苦手」という人でも読めるかも知れない。自分もそうだが、あまり遠すぎる時代の話は実感がわかなかったり、名前や用語が覚えられなくて読む気がくなくなる。カタカナやPC用語にアレルギーがなければスイスイ読めると思う。

自分にとって初の電子書籍

 本作が自分にとって初めての電子書籍購入となった。というか、この本が出てそうしようと決めてた。別に大ファンというわけではないけど、スティーブ・ジョブズの伝記を彼の愛した端末で買うというのが儀式的で面白いと思ったからだ。

 便利さを語る前に、自分の電子書籍に対する意見を述べておきたいと思う。自分は電子書籍も紙の書籍もどっちも出来ればいいと思ってる。小説や雑誌はやはり紙で買いたい。雑誌は紙の方が全体を見られて便利。小説はスマホで見るには画面に表示できる文章量が限られ、タブレットだとそもそも小説より重い。では、どのような場合電子書籍が最適なのか。

 つまり、この本のようなハードカバーで通勤通学時に持ち歩くには重すぎる本の時に最適だと思う。もちろん小説と同じように表示する文章量に問題があるし、ディスプレイを長時間見るというのはあまりリラックスできるものじゃない。けれど、そんなことに目をつぶれるぐらいの利点があった。

 まずは、重くない、かさばらないという点。次に、どの端末でも書籍自体はもちろんのことしおりなどを共有できるという点。自分のように通勤通学時に読書をするという人にかなりオススメしたい。教科書や会社の書類でただでさえ重い鞄を、さらに重くしなくてすむ。しおりや再ダウンロードの規約は電子書籍取り扱いストアーによって異なるが、Kinoppyはその点は合格だった。紀伊國屋ポイントにも対応しているのがまた嬉しい。

 電子書籍は書籍より安くしろという議論があると思うが、このような利点があるのなら紙の書籍と同額払ってもいいなと思う。問題は実際原価はいくらなんだということより、自分にとってその価値がそのアプリや本にあるのかということだ。無料版などで体験して自分の生活スタイルと一度照らし合わせて考えてみてはいかがだろう。

●関連サイト
『スティーブ・ジョブズ』講談社公式ページ

【AD】紀伊國屋書店が運営するインターネット書店 紀伊國屋書店ウェブストア

『スティーブ・ジョブズ』
●Kodansha Ltd.
バージョン:1.3
App Store価格:無料
(アプリ内課金で1巻2巻それぞれ1900円)
スティーブ・ジョブズ - Kodansha Ltd.

『紀伊國屋書店Kinoppy』
●Kinokuniya Co.Ltd.
バージョン:1.1.2
価格:無料
紀伊國屋書店Kinoppy - Kinokuniya Co.Ltd.
Google Playでダウンロード

劇団カリメロ新入生歓迎第56回公演「小劇場『昭和』」観劇

 カリメロの2012年度最初の公演「小劇場『昭和』」にお邪魔しました! チラシにおっきく『初めての舞台。最後の公演。』とか『最終公演』とか書いてあるので、「あれ? カリメロってなくなるの?」とか言われましたが、いえいえインパクト狙いです。

 今回の演出担当が今まで照明をやってきた後輩だったのですが、すごく驚きましたが話もキレイにまとまっていてすごく面白かったです。そういえば、去年の新入生歓迎公演『Android』の演出も新入生歓迎公演が初演出でしたね。ベテランなんて滅多にいないうちの部活ですが、初めてやるには“新入生歓迎公演の演出”という役割はかなり大変だったと思います。

 自分のいる(いた)団体の催し物を見ると、どうしても自分の時と比べてしまったり、後輩の失敗をチクチクと言いたくなりますが、今回はやはり成長の方に意識が向きます。制作のとある後輩のオリジナルビデオを見ることはできませんでしたが、かなり悩んであろうパンフレットは面白い工夫が見られた。それに聞いた話によると、チラシ配りのローテーションもしっかり決めて動けたようで、段々と立派になっていくようです。

 自分たちもそんな後輩に追い越されないように日々成長していかなければいけませんが、どうでしょうね。その結果は是非今年行う僕らの卒業公演で見ていただければ嬉しいです。

 今回の公演を見てくれた、今年入ってくるだろう新しい部員にも、憧れてもらえるようなモノになるといいと思っています。まだ顔を合わせたことはないけど、会えるのが楽しみです。そんな、お節介な(?)老婆心をかき立てられる、いい公演でした。

■関連リンク

第14期生卒業公演特設ブログ

『本当は怖いソーシャルメディア』感想

 ひさびさの更新は、読書感想文みたいなものだったり。今回は『本当は怖いソーシャルメディア〜2015年「メディア融合時代」を考える〜』という本がけっこう面白かったので、エントリーを書きます。

 大抵の場合、流行っているモノにはそれを絶賛する声と、猛烈に批判する声が同時にあるものです。前にソーシャルメディアサミットのエントリーの時にも書きましたが、現代はSNSなくしては何もいえないような感じ、若年層に限らず幅広い世代がSNSに触れている驚きの時代です。つまり、そんなSNSにも絶賛する声と批判する声があるわけで。

 自分はこの本の表題を見たときに、この本のことをいわゆる「批判する声」側の本なのかな、と思っていました。特に理由をあげることなく、例えば大抵のSNSは出会い系サイトと化しているとかなんとか。聞いていて「あーはいはい、そーですねー」と言いたくなるのを想像していました。

 この本のすごいところは、筋道を立て、しっかりと論証しているところ。なぜ、Facebookが怖いのか? SNSに関してだけでなく電子書籍化の未来についてもしっかり述べられています。表現もかなりざっくりしていて、自分も使いがちな「○○の場合や人による」みたいないい加減な言い方はしていませんでした。

 特にソーシャルメディア系のサービスを深く使っている人、普段意識しつつもそんなの大丈夫だよ!と思っている自分のような人にオススメしたい1冊です。

映画『逆転裁判』を観てきました。


 池袋HUMAX CINEMAにて、ある意味(?!)話題の映画『逆転裁判』を観てきました。大学生は1,500円。大人より300円安いので、映画は今のうちに行っておきたいなとか、最近考えてます。

 さて本編の感想ですが、原作ファンとしてはけっこう面白かったです。よく「ゲーム(もしくは漫画)原作は映画化してはいけない」と言われますが、「ゲームでやってることを実際にやってみたら、ああなるよねー」みたいな感じと所々にある「原作に出てくる小ネタ」があり、コメディーとしては非常に良かったです。「裁判モノ?ミステリーなの?」みたいな感じでいくと、たぶん裏切られます。というか、ポスターの段階でそのへんは気づいてください。といった具合です。

 今回は演劇部の先輩の誕生日祝いも兼ねて観に行ったのですが、見終わった後、「大沢木あかね」の再現度が忠実だった、という話で盛り上がりました。最初はつっこみを入れたくなるような、各々の衣装や髪型ですが、話が進んでいくうちに見慣れていきました。個人的には御剣のかっこうも割と好きで、逆にイトノコ刑事の年齢設定が若干若いように感じました。(もっとやつれていて欲しい?!)

 逆に、少々残念だったのは、話のテンポがかなり悪かったこと。そもそも原作ゲームが1話完結モノなので、映画にするにはきつかったとは思うのですが、逆転裁判らしいあのかっこいいBGMと追い詰めているときの緊迫感と謎解きの爽快感が足りない気がしました。

 というわけで、あんまり映画の感想としてこういうことを言ってはいけないのだとは思いますが、是非映画を観る前でも見た後でも、原作をプレイしてみてください!観てからでは感想も変わってきますし、観た後ならさらに理解が深まります。

 今度、レベルファイブとのコラボ「レイトン教授VS逆転裁判」(3DS)や「逆転裁判6」の発売も噂されていますし、自分もまたおさらいプレイをしてみたいと思います。

参考)
プレイするなら!
■iPhone/iPod touch/iPad版
逆転裁判123HD
(逆転裁判1,蘇る逆転,2,3の内容)

■Nintendo DS版(全バージョン・ベストプライス版)

■逆転検事(主人公を御剣検事にした番外編・ベストプライス版)

■映画の文庫本版

個人的にはAndroid版も欲しかったのですが、カプコン公式から「みんなで異議あり!」というアプリが出ていました。体験版も同梱しているようなので、Androidユーザーは是非。

キャラメルボックス2012年スプリングツアー『トリツカレ男』観劇


 2月24日に赤坂ACTシアターで行われた、キャラメルボックス2012年スプリングツアー「トリツカレ男」を観てきました!
自分にとっては2010年12月の「サンタクロースが歌ってくれた」以来のキャラメルボックスの公演でした!

[googlemap lat=”35.672838″ lng=”139.735078″ align=”undefined” width=”400px” height=”300px” zoom=”15″ type=”G_NORMAL_MAP”]東京都港区赤坂5丁目3−2[/googlemap]

 今回もすごく楽しく、ところどころ笑いながら楽しく観ることができました。再演だったり原作があったりするらしいのですが、相変わらずそういうことは全く知らなかったのですが、役者さんの演技や舞台装置の凄さだけでなく、ストーリーのわかりやすさにも感動しました。

 ハーフプライスチケットを利用したので、A席3000円で観ることができたのも嬉しかったです。結構遠くて役者さんの顔は見辛かったのですが、舞台を俯瞰してみることができたのは今後の参考になりそうです。


また、今回24日の公演で、キャラメルボックスの公演来場者数が250万人を突破したそうで、来場者全員に「トリツカレ男」作中に出てくる(使っている?)しおりがプレゼントされました。プラスチックで出来ているので、なかなか使い心地が良さそうです。大切に使いたいと思います。

劇団カリメロ特別公演『拝啓、向こう側の君』観劇

 カリメロで特別公演というのは、本公演(番号としてカウントするもの)以外のもので。今回は1年生が初めて自分たち【だけ】で準備をして実施した公演なのです。昨年は会場の都合などで行うことができませんでしたので、実に2年ぶりの1年生のみの公演ということになります。

 約1週間前にあった突然の配役変更(役者の脱退)があったにも関わらず、こうして千秋楽を終えられたのは、そりゃあ上級生の手助けもあっただろうけど、何より彼ら1年生のそこまでの準備と努力、そしてこの公演に対する執念があったからに違いない。

 部活なんてものに、「こういうものだ」という常識はないと個人的に思う部分はありますが、カリメロのような特に有名でもなく実績もあまりない団体は、やはり個人のやる気と犠牲によって成り立っている気がします。そういうことから、この公演は今後に繋がる良い公演だったと思います。

 そんな風に個人的な思い入れもありますが、感想はというと。

 ずるい面白さが散りばめられていました。時間が短さから、どうしてもダイジェストのような感じになってしまいましたが、脚本に込められたメッセージはとても共感できるものがありました。より彼ら彼女らが技術をつけられたら、是非同じテーマで作品を作って欲しいと思いました。

 照明は久々に「主張しない照明」という印象をうけました。例えば、「回想シーンだからセピアっぽくしたい、だから照明はオレンジに!」みたいな感じにやってきたことが多い印象はありますが、今回は必要最低限に抑えられてたかなぁっと。まあ、場面数が少なかったってのもありましたが。

 大道具も割と大胆な色使い、そして客席の近さにビックリしました。音響は役者殺し。良いときもあったし、あちゃぁと思うと気もあったり。

 とにかく、面白い、そして彼らだけでなく僕も勉強になったいい公演でした。

劇団フルタ丸第17回公演『12月26日』観劇

僕にとって、すっかり
「半年に1回のお楽しみ!!」と化した
劇団フルタ丸さんの第17回公演『12月26日』に
クリスマス・イヴに行って参りました。

劇団フルタ丸 公式ホームページ
http://furutamaru.com/

フルタ丸さんとの出会いは大学1年生の頃、
先輩が下北沢の本多劇場グループのチケットプレゼントで、
フルタ丸さんの『LOVE LETTER』のペアチケットを当てて、
幸いなことに誘ってくれたのがきっかけです。

そして、先輩共々、フルタ丸さんの作品の虜になり、
『LOVE LETTER』以降の公演は毎回一緒に観に行っています。

下北沢のラーメン屋で腹ごしらえをしてから、
公演をワクワクしながら観に行くのが、
毎回「贅沢だなぁ」と思って足を運んでいます。

さて、本編の感想ですが。

今回も今回で腹を抱えずにはいられない細かなネタ、
最後にはちゃんとハッピーエンド。
正真正銘、いつも楽しみにしているフルタ丸の公演でした。

前回の本公演で、
物語だけでなく照明など色々な側面から感想を述べましたが、
今回も様々な仕掛けが役者の演技だけでなく、
舞台上に所狭しと散りばめられており、
役者・スタッフみなさんで、創意工夫をしているんだなと実感しました。

特に、
公式のブログの公演終了の写真に写っていますが、
舞台上にカレンダーがあって、
物語が進み、暗転や薄暗転中に日付部分が光るギミックは、
最初のうちは大した演出には見えませんでしたが、
あとから12月26日が近づくうちに、
舞台全体がドキドキしてくる要因になっているように感じました。

観終わる頃には、
自分も「クリスマス」っていう行事を少し見直したいな、と思うようになりました。

次回も楽しみです!